視覚処理と論理的思考

  • 2008/11/29(土) 23:05:03

最近仕事していて
(とあるケースの課題実施の様子を見ていて)考えたこと:

そのケースはパズル的な視覚課題をしていたのですが、
ある段階から、実施スタイルが自然と「試行錯誤的」になっていく。
具体的にはあるピースひとつの位置を固定し、
それに合うピースを探し、違うと判明したピースは一旦排除し、
他から再度探して当てはめる の繰り返し..
 何故試行錯誤的になるかを考えれば、
そのケースが視覚処理がかなり!苦手な児であり、
パズルが形成するであろう全体像のビジョンが”見えない”ために、
それに代わる手段としての試行錯誤→論理的な思考形態の導入、
となっていったのだろうなと思うわけです。

その様子を見ていてなんとなく、
「アスペルガータイプの、口の異様に達者な児で、視覚→運動系処理が不得手な事例」
「視覚→運動系処理の悪い児が、妙に論理的/言語的な領域(知識含)を伸ばして発達していく」
といったケースが、どうして、如何なる経緯を経てそうなっていったのか、
なんとなく分かったような気がしたのでした。


上記をまとめると、

1)視覚処理の不得手さによる視覚刺激の"全体像”把握の困難
2)視覚的に状況を適切に解釈できない児が、
 辛うじて処理できた視覚刺激の”部分”情報を、
 対比させたり並べたり組み合わせたりしつつ、
 どうにか自身の適応に結び付けるための情報に加工している
3)この過程で試行錯誤的な方法論を見出し、以後多用
 →過度の論理的思考に至る 

といった感じなのかなぁと。

*更に後日別のケースを見て思ったのですが、
基本的な語彙や言語能力、コミュニケーション能力が
一定の水準に達していないケースの場合、
ある時点で「視覚的に論理的」な処理や態度が定着してしまい、
「言語的な論理」の強化には繋がらないということもあるようです。

 この場合重要なのは
「特異な認知様式→特異な行動の発端は、視覚処理の悪さ/特異さにある」のであって、
元からヒトに言語面/論理面に異常な発達や適応があるわけではない、
って発想ができるところですね。
(あくまで「この発想においては」。 現実には絶対音感所有者はじめ、
「元より聴覚処理に絶大な才能を示す」パターンも、あるのかもしれない)

 定型発達の場合は、視覚情報から概ね他者と同水準の「適切な」情報を引き出せるので、
必要以上に物事を論理的に説明したり、解釈する「必要がない」。
そのために言語的/論理的なスキルの発達も普通の範囲の発達に収まっていく。
一方で、ある群では、その間にも過度に論理的な思考形態を身につけていく..

…何年か前、あるお医者様と話をしていて
「アスペルガーと高機能自閉症とでは、運動系の機能に隔たりがある気がする
(高機能自閉=運動系の発達に大きな問題が無い / アスペルガー=運動系が概して苦手)」
という意見を伺いました。
そのときはへーと思って聞き流していたのですが..
 考えてみればアスペルガー症候群の定義自体
「自閉傾向を持ちながら知的には標準域にあり、
 言語/コミュニケーションの機能レベルで大きな問題を示さない(*発語内容は別)」
といった感じになるので、
その相対的に言語優位の状況が、元来視覚処理の弱さに基づいて生じたもの、と考えると、
アスペルガータイプ→視覚-運動系の弱さに至るって理屈が、成り立つのです。


 …ただこの発想だと
・視覚優位であって同時に過度に論理的だという事例だって、少なからずある
 (私自身視覚優位だけど、だからって「情緒的な発達著しい」とは到底言えない..)
・概ね視覚優位傾向のある男性が女性よりも、
 多くの場面で過度に論理的な処理を行いがちである
の2点について上手く説明できない。

 そこで、「視覚処理が悪い/弱いひと」と、
「視覚優位だが発達的にはバランス悪いひと」の共通点を考えてみると、
視覚処理が優位であれ劣位であれ、
両者とも「やっぱり部分処理優位」傾向にある、とは言えるんだよね、多分。
 部分処理が度を越えて(=正常範囲を逸脱して)強い限りは、
「全体像が見えない/適切に処理されない」という問題はいずれにせよ生じるのだろうし、
その結果としては両者とも等しく「論理的な思考回路の形成とその傾向の促進」
に至る、のかもしれない。


…まあそんなに強い根拠があって言っているでもなく、
現時点では妄想に近いのですが、
ケースのパフォーマンスを見ていて、そんなことを考え込むこともある、と。

 このレベルの推論だと客観的な例証を挙げるのも、
実験的に検討するのも難しいです
(観察や検討の場面で複数の統制できない要因が、どうしたって絡んでくるから)。
 なもので、自閉傾向を有する者や軽度発達障害児者の、
認知様式の「モデル」として、扱う感じですかね..

 とりあえず、一つの発想として置いておきます。

人間学講座?

  • 2008/11/28(金) 23:31:20

さて4回目。

今回は講座開始当初から考えていた「表情」をテーマにした回なのですが。

目線と表情(の解釈と模倣)に関する実践的な内容を含む説明/課題設定については
まーまーの仕事をしたつもりなのですけど、
ケースによってはどうも、

「表情理解以前に!
感情理解(=ある特定の状況でどのような感情をとるか?)
ってとこが、そもそもよく分からない」

ということもあるようで..
(*個々のケースに感情がない/感情表現がない!という意味ではない。
ただ「どのような状況でどのような感情が一般的に生じるか」に関する
体系的な知識がないのだと思われる..)
一応今回の講座でも、感情の話は冒頭にサラっとしたのですが、
どうもそれでは足りないようで..

 私自身は(というとアレですが..)やっぱり幼少期の読書体験が、
これに関して相応の効果を示したのではないかと思っています。
 いきなり大人向きの本読めばいいかというとそうでもなく、
桃太郎とかそんなのでも、「○○ということがあって喜んだ」とか悔しいとか、
その程度のシンプルな感情描写の数をこなす中で、
ある程度”学習によって”「特定の状況→特定の感情反応」
という思考回路が出来上がるのではないかと思います。
(…毎度毎度のことですが、ノーマル/定型発達者は、
 これを学習に拠らず、周囲の感情→反応情報を”勝手に”取り込み、
 自身の反応にフィードバックさせることであっさり会得する)

…上記結果を踏まえ、次回の講座では
(まあその学習を必要としないケースもあるのでしょうけど)
「特定の状況→生じる特定の感情」に関する一般的な知識や情報を
子どもに「押し付ける」、そういったような内容にしようかなと思います。

その上で、今回の内容は実質的な 講座?、となるわけで。

最後に。
今回目線課題の一部で使用したサイト:
http://www.humancalendar.com/
面白い!私は好きです。


タイトル

あなたとは違うんです!

購入物

  • 2008/11/26(水) 23:58:06

11/24の記述に引き続き。

午前に時間ができたので、
本日よりセール/会員割引開始との旨お知らせを頂いていた行きつけの店
http://www.utoypia.co.jp/
に、行く (よく行くのは原宿店)。


1)…謎だ(笑)
 私も謎だったけど店員さんの説明を受け
 「こ、これはー!!」と思い購入決定
(*但しこの時点で若干「やっちまった..?」感あり)

2)これは見て分かる系?
 二つ!なのがミソです。協同系課題として成立する感じがしたので。

どちらも定価よりかなり安うございました。

 早速本日来所した某さん(*課題をしないケース)
と一緒になって一通り遊んでみる。…なかなか満足です。
(こういう”新しい課題を試せる”ひとって、結構有難いのです)
1)は「上手くいくとかなり燃える!」課題と判明。

どちらにも共通して言えることは
「家庭で/個人向けとしては、機能や遊びが限定されすぎている」ってことで。
実際問題家庭よりは幼稚園とか保育園、児童センター向きの玩具って、
あるんですよね。 そして「療育目的でないけど療育向き」の玩具ってのも。

 そういう玩具をセレクトして「業務の一貫」として胸を張って購入できる(笑)
というのは、或いはこの仕事における最高の役得!なのかもしれません。
(何せ私の場合、趣味と実益が完全に一致しているし..) 
 
 実際、私に子どもがいれば!これって凄くいい環境なのにねぇ..
子どもの発達に合わせて教材を持ち出して、一段落したら職場に戻せばいいわけで。

…まあこの時点で当の私が楽しんでいるのだから、それでいいっちゃいいのですが。
 「個人としては大量の」玩具と教材と検査!を有しているという時点で、
私の歪んだ所有欲は、それなりに満たされているのです。きっとそうだ。


…結局追加で3)のオーナメントを買ってしまった。
かわいかったのでつい..
  

turn turn turn

DIM: do it myself

オーナメント2号